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  • 執筆者の写真反田孝之

「〇〇バカになりたくない」

「○○バカになりたくない」と言う人をときどき見る。つまりは私の様に、農業でそれなりに結果を出し評価されている一方で、そのことに忙殺されて他のことはからっきしダメ、という人間にはなりたくないという意味らしい。


人それぞれなんだから、そう思う人がいても一向に構わないけれど、この言葉に振り回されている、つまり何もできないことの言い訳に使っている人が少なからずいそうなことを常々残念に思っている。


私の仕事は農業で、趣味も農業である。農業以外のことにはあまり興味がなく、山歩きや将棋は息抜きや子供らの教育としてやるに過ぎない。そして他の人の評価がどうであろうと、こういう人生でまったくいいのだと鼻くそほども疑ってはいないのである。


さらに私は自分のことを特に薄っぺらい人間とは思っていないし、人間として残念だとも思っていない。むしろ人生の充実感や満足感はどうやらよっぽど他人より多そうである。


このことは、私には「自分がない」ということと関りが大きい。自分をなくすことに努めてきて、実にいい人生になった。

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