• 反田孝之

やっぱり公務員にはなれなかった

私の大学での専攻は林業だ。当時はそのキャリアを活かすため林業職の公務員になるつもりでいた。それを覆してくれたのが、折に触れて書いてきたアルバイト先の造園の社長だ。バカだクズだボンクラだとけなされる一方で、「おまえは組織勤めには向かない」、「公務員にでもなったらすぐにノイローゼになる」、「自分で商売をやるしかない」と散々言われ続けてきた。


どうしてそう言われるのかがわからなかった。社長も「見りゃわかる」としか答えてくれない。持ち前のひねくれ心で鵜吞みにはしないんだけど、陶酔している人からずっと言われているとそんな気がしてくるもの。いつ間にか公務員の選択肢はなくなった。そして紆余曲折あり過ぎて(笑)今に至った。


その間で職を変えるたびに、組織勤めが苦にならないばかりか、とりわけ雰囲気づくりの変幻自在さを重宝され、何かと評価されてきたものだから、公務員だって何だってやろうと思えば自分はやれるんだろうと内心は思ってきた。しかしこの度、やっぱり社長は正しかったなと。明らかに得心いかない主張を振りかざす同調圧力に対し、私には絶対的な拒否感があるのだ。しかし大組織や公務の現場ではそれはそれなりに付きものだろう。だから私には無理なのだ。このたびのコロナ騒ぎを受けてようやくわかった気がする。


社長は当時の私の何をみてそう思ったのだろう。自分で顧みる限り、当時の私には、あまりにも今の私の片りんはなかったはずだ。

最新記事

すべて表示

昨日は母の命日。5年前の今日の慌ただしさを思い出す。最後に母に会ったのは亡くなる日の5日前の11月8日。その間、母は九州に行っていたので会えなかったのだ。この5日間の空白が今だに悔しく心に残る。 最近作業の合間に、遠くを見ながらぼんやりと過去を振り返ることが増えてきた。すっかり老いぼれてしまったかのようなことを言う。これを冬へ向かう季節特有の哀愁のせいにしてしまうこともできなくはない。 しかしここ