top of page

久しぶりに草取りマラソンのこと

執筆者の写真: 反田孝之反田孝之

​旧暦の年替わり。元旦は昨日だったらしいが、昨日の夜9時半ごろが厳密に新月だと知っていたから、気分としては何となく今日が元旦。


ゴボウの草取りマラソンが進んでいる。毎年、旧暦の新年までに1回目を終わらせることを目安にしている。がこのたびは播種が遅れたのでゴボウも草も生育が遅く、1回目マラソンはまだまだ真っ最中だ。昨日までで62%の進捗率。


ゴボウの生育が良くないことには触れた。でもそういう生育のことは忘れて、ひたすら前を見ずに、無心、または人生にでも思いを馳せながら目の前の草を削り続けるのがこのマラソンを乗り切るコツだ。


マラソンという呼び方について。四つん這いになってただ黙々と草を削るという、作業自体は単純ながら難易度は高く、鍛錬によってようやく習得できる作業だ。それが冬の間、毎日わずか2~3時間ずつでも3か月以上続く。まさにマラソン。


この作業は精神的に辛いのが特徴。立てない、外がぼやけてしか見えない、という環境で長さ50メートル弱のトンネルだ、草が多いと途方に暮れる。


(いろいろ試したところ「けずっ太郎」の柄を取ったものがベスト)


これまでに何人もの人に手伝ってもらったが、なかなか上手くできる人はいない。早さだけでなく、草が再生しにくいように削らねばならない。一番うまかったのは断トツで「風のえんがわ」シェフの多田さん。初めて1時間後には私と同じくらい(以上?)上手くなった。あれには参った。


ちなみに彼がすぐに上手くなったのは器用とか才能もあるだろうけれど、大事で簡単なコツが一つあって、それが自然にできていたからだ。それは早く上達するための基本にもかかわらず、ほとんどの人ができていないことである。うちで研修する際にはあらかじめ教えずに、自分から気が付くのを待ち、気がつかなければ研修が終わってから指摘する。大事なことなのでそう簡単に種明かしはしない。


このトンネルの草取りをやったら人間ができる、とはその多田さんの談。まあ私が人間ができているかは別として、よい人生修業になることは間違いないと思う。

Comments


    bottom of page