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  • 執筆者の写真反田孝之

個人向け販売で気を付けること①

またまたこれまで書いたことなくて、生産者として結構重要なことを書いてみる。お客さんに誤解を生みやすいので書いてこなかった。


それは個人向け販売のこと。もう少しこれに力を入れたらどうかという提案はこれまでにたくさんいただいてきた。そういうお手伝いしますよという営業電話は今も少なくない。確かにネットを使って個人向け販売を増やせば収益は簡単に上がる。だが農業を始めてしばらくは、手間の面からそれは有利でないと判断した。しかしそれだけではない。そのうち手間の面で余裕が出てきても頑なに個人向けの販売は「遠慮して」きた。今でもお米とゴボウについては個人向けに販売はしないことにしているし、当面も変える予定はない。なぜか。


それはお米とゴボウについては、お世話になっている取引先さんの邪魔をしてしまうからだ。この2品については、取引先さんに販売のお世話になっており、さらに重要なのは、その取引先さんらは私の個人名を出して宣伝をしておられる。そういう宣伝のバックがありながら個人向け販売をする場合には暗黙のルールがある。


それはその取引先さんらが販売している価格と同じかそれ以上で売らねばならないということ。生産者から取引先さんへの卸値が5000円で、その取引先さんが消費者に10000円で売っているとする。そうすると消費者はネットで調べて生産者から直接買いたがる。きっと10000円より安く買えるだろうと。それで8000円で売ったとしたらどうか。生産者は3000円の得。消費者は2000円の得。万々歳!


というのではまずいというのは分かるだろう。間に入っていた取引先さんは宣伝をしてくれているのだ。もちろんこれまで買い取ってくれてて。その恩を忘れ、中抜きするなどということは、法律上の違反ではないが、人の道としてどうかということだ。


(続く)

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