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  • 執筆者の写真反田孝之

個人向け販売で気を付けること③

と、つらつらとうちの例を含めて書いてきたけれど、厳密に筋を通して立ち回ろうとすると実際にはかなり難しい。モラルにこだわるあまりホトホト面倒な目にもあう。お客さんのお叱りを招きかねないというのもその一つ。だから「なんだ、そんな理由で高くしてるのか!」などと思わないでもらいたい。また大所高所から見ると中抜きして消費者にメリットのある社会は正当だという意見もあるかもしれない。


生産者の側からも「ケチをつける気か!」と思う人がいるもしれない。繰り返すが法律上違反ではないし、「構うもんか」と公言して堂々とやっている人もいるのだ。


ただね、みんながみんなこういうやり方でお客さん増やそうとしたら、この世界はドロドロになるよ。それにうちは今の筋を通したやり方でたちまち経営が困っているわけではないからまあいいんだけど、販売に苦労している農家はたくさんいて、そういう人の中でもこういうマナーを守って頑張っている人がたくさんいるのだ。


私も販売に困っていた時期があるので気持ちがよくわかる。それでもこのマナーは守ってやってきたし、当然これからもこの方針でやっていく。


それで、これから農業を始めようとしてる人や、うっかりからやってしまっていた人向けに書いてみたところ。逆に「そんな手があるのか!」と悪用しないで欲しい。またうっかりやっていた人は、筋を通すためには今をどう改善すればいいのかを考えてみて欲しい、と切に願う。


私には、真の大所高所から見た理想像は、「生産、流通、消費」の三位一体で実現を目指さないとならないし、目先の理論で流通を意図的に排除しようと(しかも利用しながら)する取り組みでは絶対になしえないと思える。そんなことしらん、自分がよければいい、という人が圧倒的かもしれない。だからこそ心ある人にはよくよく考えてもらいたいのだ。

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