top of page

実現したこと

執筆者の写真: 反田孝之反田孝之

20代後半で農業の道に飛び込んだ。その前に各地の農場を訪ね、農業者に会いに行った。その旅の中で、立派な自然農業者に限って際物扱いされているという現実を知った。なぜなのか。私なりに出した結論が、そういう農業者は経営面積が小さいからだ。それで心に誓った。自分は必ず自然農業で10haとか20haとかの面積で経営をする、と。 そしてそれは実現した。多いときに20ha、今でも16ha程度の経営面積を抱えている。そして若き日に思ったことは間違いではなかった。私にそれなりに「発言権」があるのは、間違いなく今のこの面積のおかげである。 もちろん面積がある私が偉くて、ない人がダメだというわけではない。両方が必要だということ。面積が小さい人ばかりでは相手にされない、広い人も必要ということ。広い人がいるから、小さい人も浮かばれる。逆に小さくてもしっかりやっている人がいるから、広いが粗放的な私らも浮かばれる。多様性が必要ということだ。 普及や啓蒙だって同じこと。毒舌で主張する人に対し眉をひそめて「あんな言い方ではダメだ」などという批判はただの自己満足。毒舌がいるから穏やかなあなたが浮かばれるのだ、ということに気が付かなければならない。その逆もまた然り。 面積、年齢、成り行き、いろんな要素があることだろうが、思わぬところから頼りにされることがある。52歳。もう十分生きた。残りの人生は、屋台骨である経営はしっかり守りつつ、裏でこそこそと(笑)自分の目指す社会に向けて可能な限り汗をかいていきたい。


(2012年の今田地区。7haから始まって、来年は12ha。ここに投入される肥料は全部でわずか30キロ。)


最新記事

すべて表示

不甲斐なさと諦めと

大豆の色選掛けが、気温が上がった時間帯を選んで今日も淡々と進む。明日が大豆の検査。検査ロットだけは何とか間に合わせたい。でも今ギリギリどうかというところ。 寒々しい作業場から窓の外を見る。山陰の冬だ。子供の頃から慣れ親しんだ冬だから、冬とはこういうものだと思っていたつもり。...

病床の年越し

ここ数日はまたまた病床に伏せっている。すっきりと元気になったはずだったのに、あれあれ何かおかしいぞ、と気がつけば急性心筋炎。病院には行かんからもちろん見なし。でも症状からして間違いない。 不調が出てから気がつくまでの間に数日あって少し無理もしたし、目の前に住む方がまさにこれ...

復活の程度が半端でない

久々の更新。 今朝布団から出てみて、あれっ?と。体が軽いのだ。そういえば以前は朝ってのはこうだったような・・。もう記憶にないくらいに久しぶりの感覚。なんたって近年の私は、朝の起き立てが一日でもっとも疲れているっていう有り様だったから。こんな日が続かないまでも時々あるといいな...

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page