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新規圃場のたびに少し途方に暮れてみる

執筆者の写真: 反田孝之反田孝之

朝から半日かけてレンコンの植え付け。写真撮るのをすっかり忘れた。わずか4a(400㎡)だから趣味みたいなもの。もちろん労力は趣味以上。 圃場は10aの新規圃場で、これまで慣行栽培で稲が作られていた。耕土が珍しく30㎝もあり、下層の土はセオリー通りに腐っていた。これからまた、少しずつ良くしていかねばならない。そしてプラスチック肥料の残骸の丸い殻がぷかぷか浮いている。前耕作者は使っていなかったので、何年も前のものが今だに残っているという事実に閉口する。 新規圃場は他に2.2haある。籾殻暗渠を施工していてここもグレーの土塊がたくさん上がってくる。この再生を今までにずいぶん繰り返してきたなあ、と。またやるのか、と。土を良くしていくということは、何年ものの圃場であっても常に進行形。ただそれは年数を重ねると自然の力に委ねられるようになるのに対し、初期段階ではやっぱり人間の手は大事で、大変だし、辛抱が必要だ、それを思って少し途方に暮れてみる。 新たに農地を借りるということは、我々自然栽培農家にとってはこういうことなのだろう。逆に言うと事情あって農地を借りつつづける限りは、これこそが我々の人生かと。 午後は新規圃場の籾殻暗渠の続きをやってくる。明日からの雨はかなりの量らしい。暗渠を入れて置けば乾きやすくなるので、何とか今日中に終わらせたい。同時にこの暗渠は単に圃場を乾きやすくするためだけではなく、圃場の土の再生の助けとなるのだ。

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