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執筆者の写真反田孝之

本物の食育とは

千日回峰行の中、イベント2日目が無事(?)終了。



ここは今年新しく始めた取り組みの場だ。うちの農地の一角で、わずか100㎡ながらも地元小学校5年生の手によって、大豆の種まきから管理、収穫を経て、味噌づくりまでをやってしまおうという企画なのである。(右側はうちの大豆)

常々、学校教育で為されるべき本当の食育とは、ノスタルジー充足の域を出ない田植えや収穫の体験などではなく、農作物を栽培し最後に種採りをし、それを次に繋ぐことだろうと考えてきた。その中でも種採りのあとに日本の伝統的な主要食品の味噌にまでなる大豆の栽培は、その容易さもあって最高に意義深い取り組みになるだろうと。そのことを何かの時に栄養教師に話したところ実現したわけである。


種まきは6月1日にやった。今日は1回目の土寄せだったのだが、予定ではもう10日くらい早くにやるはずだった。しかしこの度のうちの種の発芽率の問題に、子供らの下手さが加わって、発芽が散々に。そのため苗を別に立てて、先日先生たちと植え替えて、ようやく今日になったのだ。手と手ぐわを使って、まあ寄せるには寄せたが、いまいち草がね。さてさてどうなるか。


今後は2週間くらい先にもう一度土寄せ、9月頃に草引き、10月に収穫・乾燥・こんのうという予定だ。そうして何とか次学年に種を繋ぐ恒例の取り組みになれば嬉しい。


しかしながら農作業がこんなチマチマしたものだと思われても面白くない。ちょうど乗用除草機が目の前の畑にあったので、最後に爆走土寄せを披露した。時速8キロくらいで爆走する除草機を路肩沿いに追いかけてくる子ども達の顔が意表を突くくらいに生き生きとしている。こういうシーンをもっと見せたいね。

ところで前回の種まき時の最後に、大変驚くことがあった。私の説明を補足するように栄養教師が自然栽培のことを言い出したのだ。「ちゃんと予習して来たよね。反田さんの栽培の特徴は何だっけ?有機栽培でもない自然栽培だったよね。ここが大事なんだよ。」みたいに。いやはや、理解はそこまでいっていたのかと。難しいかなと思い、敢えて私の方からは子供らには言わなかったのだが、ここ数年打ち続けてきたジャブは先生にはきちんと伝わっているのだ。何とも嬉しいと思うと同時に、遠慮はいらない、私は私が思うように攻めていくのだ、と改めて思いを定めたことだ。

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