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真似の大切さを伝えよう

執筆者の写真: 反田孝之反田孝之

「早く芽を出せ豆の種 出さぬとハサミでちょん切るぞ ♪」と歌ってすぐに柿が芽を出す「さるかに話」。弱い雨に濡らされている今日は、ただジリジリとそんな心境で、淡々と田んぼで除草機に乗っている。


小5の体験圃場についての話題。上手なところ。


下手なところ。


何がって、上の写真は上手に20㎝間隔。下のは30~40㎝のところもある。


昨年から見ていて、どうも頭と体の連結が悪い子が多いなあと。このたびは種蒔きの時「10㎝ってどのくらい?そうそうそのくらい・・違うよこのくらいだって・・それが2個で20㎝だろ!」とここまでやってみせたら、小5なんだから、いい線で20㎝間隔で蒔いてもらいたい。中に2cm(!)間隔で蒔いている子がいたけど、これなど頭と体が完全に分離どころか、周囲と自分も分離してしまっている。


大人にだってこういうタイプの人がいる。現場を長くやっていると実にいろいろな人に出会う。


昨年の反省から、先日の土寄せ作業のときに、土の寄せ方を説明しながらこんな内容のことを言ってみた。「いいか、こうやって習うときには2つの大事な視点があるんだぞ。1つはこの俺の動きをよく見て覚えて動きを真似するということ。もう1つは、俺がやって出来上がったこの状態をよく覚えておいて同じような状態を作るんだってこと。やっててわからなくなったら、俺がやったここを見に来ればいい。」


果たして、想定通り。少数の上手くやる子と、その他の我流の子。上手な子でも移植後手を真横に持てる子はいなかったけど。


これは大人でも多いのだ。真似をしようとする人の方が圧倒的に少ない。要因の一つに、「真似をすること」の重要性の不理解がある。なぜか。様々な理由の中に、例えば個性の曲解や誤解、歪んだプライド、みたいなのはある。


真似が上手い子は実際に上手くできるから、これが一つの成功体験となる。


真似をしないと食えないとか殺されるいう時代なら、成長と共に誰もが自然と身につけていたこと。こういうことに触れていくことは私ら現場に生きる人間の責任でもある。

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