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  • 執筆者の写真反田孝之

今田の農地利用をチェンジ

積雪、事務所の前で13cm。大したことがなくてよかった。


こんな時はデスクワークを、というのは本当は違って、もし今日が作業日和だとしてもデスクワークの一手。書類作成とか今期の計画とかやるべきこと、考えるべきことが多いのだ。


今日は春から就農する研修生の計画のアドバイスを朝からみっちり。私もそうだったが、就農の初っ端に、何かとややこしく緊張感バリバリの稲の育苗に向き合うってのは正直、きつい。


私の当時を思いだす。3月に戻ってきて、中古のトラクターから探さねばならない段階で、すぐ目の前に育苗が迫っている。とりあえずやっつけ仕事的にバタバタと揃え、えらい目に遭いながらも畑苗代で何とか形にした。2度とあんな思いはしたくない。


が、頑張れ、若者。私生活の悩みも抱え、これは純粋に、君を鍛えるための試練だ。


私の方も、つい1週間前には考えてもいなかった大きな問題があまりにも急に降って湧いてきて、圃場利用の大転換の計画で今、頭が猛烈に忙しい。そのうち紹介するだろうけれど、今田地区の土地利用を大きくチェンジすることになったのだ。ただ栽培作物を入れ替えるだけか、と気楽に言わないでくれ。圃場条件を最大限に活かさねばならない自然栽培にとって、これは重大問題なのだから。


これを書いている今も、ふとと思いついた可能性を、いそいで検討したくなって、今、現場へ行って来た。ここ数日ずっと考えて、相応に結論としてまとまってきたと思っていても、まだぽろぽろと課題が浮かんできて、それを一つ一つ潰してゆく作業が必要である。それだけ圃場条件というものが複雑ということでもある。


できれば今一面を覆っている雪が、融ける過程を確認するのを待ってから最終的な結論を出したい。融ける過程では水はけに関わる情報がいくつか手に入る。例えば今欲しい情報の一つは「水田としての水はけ」だ。これは大豆栽培時に観察できる水はけ指標とは少し違うし、水稲生育期の減水深という指標だけでは正確に分からない。減水深が大きい田んぼを考えた場合、全体的に均一に水はけがいいから大きいのか、どこか一部のみの水はけがいい——極端に言えば漏水がある——から大きいのかの違いが分からない。それが雪融け状態を確認することでおよその検討がつくものである。


(週末あたりで融けそう)


おそらく我々自然栽培農家は、圃場を活かす、という視点が他の栽培法の農家とは異なるであろう。そうやって条件の違う1枚1枚の圃場と向き合う。このことが大変でもあり、楽しいことでもある。


以上のようなことを、土と人とを通なぐ役割の我々にとって、そんなこともあるのかと想いを巡らしてもらえるなら幸いである。ついでに言えば、長年借りていた農地を返すという行為には、我が子と切り離されるとまでは行かないまでも、親しい友人と離れてゆくくらいの寂しさを伴うということも、知ってもらえればと思う。それを散々田津地区でやって来て、今度は渡地区でもやろうとしている。


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