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  • 執筆者の写真反田孝之

こんなところで書くことではないが、敢えて書いておく。

中3の長男が昨夜、行きたい高校と部活を突然ボソッと話してくれた。こんなことは初めて(笑)。だったら勉強して合格せんとならんぞと伝えた。なんだそれは、と思われるかもしれない。実は息子はもう2か月以上前から家で1秒も勉強をしていないのだ。


夏休み。定員割れの近くの普通高校に入学できてもついていけないほどの学力だったため、彼を説得して昼夕に1時間ずつ、毎日合計2時間ほど私と一緒に勉強をすることにした。昔取った杵柄だ。横着でかつ効果のある勉強法も教え、そして休み明けの模試では目に見えて成果が出た。本人もまんざらではなかったらしく、しばらくは何となく勉強をしていた。しかし次第に勉強をしなくなり、逆に今で以上にやらなくなった。本当に1秒もやらない。当然、成績は下がる。ただでさえ低いものがこれ以上下がらないんじゃないかというくらいまで下がっている。学校の成績だけならまだよい。詰め将棋を作る以外は、一事が万事こんな感じ。そしてこの状況を親としてどうにもできなくている。


ここからは塾講時代の自慢話だ。自分で言うのもなんだが、私はかなり優秀な「子供たらし」「親たらし」だった。塾で私と接する中で勉強嫌いの多くの子供が改心し勉強をするようになった。勉強だけではない。反抗期で途方に暮れる親に頼まれ、涙ながらに訴える子供にも耳を傾け、無事に円満を取り持ったこともある。親御さんから感謝された数はもう計り知れない。年度替わり明けに異動先の教室にまで押しかけて来られて、「先生は我が家の恩人だ」とまで言われたこともある。


ついでに言えばクレーマー的な親にも強かった。日ごろからクレームが来ないだけでなく、そういう親も私と話すと必ず物わかりの良い人になる。だから面倒な親の子は反田のクラスにしておけということになるし、上司や同僚講師たちに不思議がられていた。


もちろん私も不思議だった。私は気負うことなく私なりに自然に子供や親と接していただけだった。だからよくわからないが何か特殊な能力があるのだろうと思っていた。しかし5年で止めて専業農家になるつもりだったので、その「特殊能力」はおまけみたいなものだと、当時はことさら意識することはなかった。


しかし我が子。まったく彼の気持ちに入りきれない。実の子には当てはまらないのか、それともすでにその能力を失ったのか。まさかこんなことになるとは思いもよらない。正直甘く見ていた。私のもつ能力がきっと我が子育てにも役に立つことだろうと・・。


それだよそれ、すべてに意味があるんだよ、などと軽く言わないでもらいたい。それは当事者である私が言えることであって、あなたではない。


長男は小さい頃から少し難しいと思っていたので、どう転んだとしても体を使って自然に分け入る経験さえしておけばなんとかなるだろう、と山登りに継続して連れていっていることは度々書いていることだ。さて、このことはどれだけ彼の人生に意味を成すのだろう。だが、自然を愛し、頼り、運命に従うということしか、私には思い浮かばない。

  • 執筆者の写真反田孝之

ゴボウトンネルの設置作業の中で、支柱立てとビニール被覆だけは1人でやると極端に能率が下がり、実質はできないに近い。それで普通は女房と一緒にやっている。


それが先週末、トンネル設置この一手という日に女房の都合がつかない。この日はわずか2棟だけを立てる流れで、人手が必要なのは正味で30分ほどなのでさすがに他人に頼むのもは気が引ける。それで渋る中3の息子を駆り出した。


乗用管理機に乗せる。そういえば昔こんなシーンがあったことを思い出した。これ。


長男は1歳に満たないころ、保育園に行かせず普段は母に子守をお願いしていた。しかしこの日は母の都合がつかず、機械に乗るときは女房がおんぶして、その他は私がおんぶして、無理な時はビニールの上で遊ばせて、と凌いだのだ。


それがついにその機械を運転することに。雄姿を写真に撮っときゃ良かった。もっとも、まっすぐに微速前進するだけで雄姿ってほどでもないんだが。


この時私はぎりぎり30代、女房は20代。14年が経つ。私も女房も機械もみんな歳を取った。


まあね。いろいろとあって心配が絶えない息子なので、無邪気に感傷に浸っている気にもなれない。私の気持ちが落ちているのは、一つは息子への心配が原因だというのは明らかである。ただ私も自然栽培農家の端くれ。じたばたはせん。

自然を愛し運命に従え。座右の銘を自分に言い聞かせることが最近特に増えた。

  • 執筆者の写真反田孝之

例年のことながら、11月繁忙期は綱渡りの日々だ。雨、風、晴れの天気をぬってギリギリで最大効率の段取りを組むべく、天気予報を常に見ながらピリピリしている。他の用事は一切を排除。

11月が終わりそうな今の進捗状況を。

懸念していたゴボウの作付けが、先週1週間で何とか12棟進んだ。残り6棟。今では合計18棟を夕方山藤君の手を借りてですら辛いというのに、以前は全部で30棟を1人でやっていたのよな。よくやっとったわ。

そして大豆。収穫は残り1.3ha。すでにいつ刈ってもいい状態。ただし乾燥が終わったものを仮置きしているので、調整作業はまだ3.3ha分残っている。

さらに緑肥。直前耕うんが昨日終っていつでも播種可能になった。面積は年々農地を返還しているのでこのたびはわずか1.2ha。

以上のすべての作業を進めたい中で、作業を選ぶ基準は次の通り。

●夕方15時以降に風が弱い(風速1m以下)と思われる日で、かつ私が倒れそうに疲れていなければゴボウの作付け。種を先日から浸水するため前日夜には決定。

●晴れが2日続くか、1日半続いてその間に風が強い日があり、かつ10時から開始できる場合は大豆の収穫。

●上記以外で畑が乾いている時には緑肥播種の準備や播種。

●上記以外は大豆の調整作業。

基本、休日はない。倒れそうなときは(今もそう)千日回峰行や背後のソ連軍を思って凌ぐ。

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