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  • 執筆者の写真反田孝之

田津の八朔の木

冬の我が家の生活を豊かに色づけてくれるのが、八朔だ。もう20年近く前に、田津の畑に両親が植えたものが1本あって、毎年200~300個の実をつけてくれる。当然のことながら草刈り以外は一切やらない放任栽培。当然、美味い。本当は剪定くらいはしてやった方が良い。しかしその暇と、心のゆとりが、あまりない。


そんな八朔が、今年は今一つ美味しくない。酸味がばかリが多くて旨味が少し少足りない。そして皮が分厚く、この時期になっても緑色が残っているものが多い。どうかといえば分厚くて剥きにくい皮が、今年はなお一層剝きにくく、さらに味がいまいちというのだから、我が家の消費量も今年は極端に少なくなっている。こんなことは初めてだ。


原因は何なのだろう。もしこれが夏の暑さのせいだというのなら、これまでにだって暑い夏はあったのだから、それほど今年は暑かったのかということを、普段から農産物を育てていてその手のことには敏感なはずなのに、なぜか八朔の質の違いによってはじめて納得がいった、という気がしないでもない。というのも数値では夏が暑かったことは明白だとのことでも、植物らにとってはどういう暑さだったのだろうかと、意外と山で枯れた木が見られなかったので、常々気になっているからだ。


この八朔の玉にきずは、寒さに弱いことであろう。日最高気温が0度以下のような日が2~3日続くと、とても食べれたものではないほどに苦くなる。採るのをうっかりして、12月中の寒波で全部を苦くしてしまったという悲しい年がこれまでに3度くらいあった。それだけは勘弁だ。それで今日からの寒波到来を受けて、昨日の夕方、せこせこと救出に行った。小雨の中、合計240個を。



これで一安心といいたいところだが、本当は不満。樹上完熟の方が当然旨いし、このたびは特にまだ熟れていないのである。昨日も食べながら、やっぱりいまいちだなあと。たくさん採りおきしたところで食べなければ意味がないし、旨くないなら人にもあげにくい。だったら賭けで半分くらい残しておいても良かったかと今、少し後悔している。


この木は数年後には堤防の用地にかかるため、このままここで関わっていくことはできない。切ればなけなしでも補償金はでるので、だったら切ってしまって、別のところに新しい苗を植えてということがもっとも手間的にも安い方法である。しかし隣りに生えている、これも両親が植えたものだが、西条柿や山桃の木があって、こちらは切ってしまおうと思っているのに、八朔だけはこれまで家族で食いつくしてきた、子供らの成長にもずいぶん世話になってきた、と思えば、やはり骨は折れるがどこかへ植え替えたい。子供らもそう言っているし。


ではどこへ植え替えるか。これまでにずいぶん洪水に見舞わながら、毎年たわわに実を付けてきた木だ。隣りにあったレモンの木などは1回の洪水であっさり枯れたというのに。できれば洪水に遭わず、収穫しやすい自宅の庭をと考えるが、ここは猿の餌食となる。今のところ田津のうちで考えるしかなくている。


ただこの木が枯れていない理由には、洪水時のこの場所の水が、周囲の竹やぶによってよどんで、流れが緩やかだからということがないだろうか。というのも、田津に植わっている八朔を見回すとそういう傾向があるからである。しかしながら今後、堤防のできた田津に、流れの緩やかな場所はない。


ゴボウの種採りもそうだが、田津というのはこれだけ素晴らしい土がありながら、ちょっとしたことですら役に立てれない土地になってしまったし、さらになる予定である。みかんの木も植えられないで、どこまで関わっていけるのか、我が先祖のふるさとに。

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