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民間稲作研究所の栽培技術が素晴らしい

  • 執筆者の写真: 反田孝之
    反田孝之
  • 5 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:18 時間前

この冬はいつになく稲作技術についての造詣が深まった。そして確信する。自然栽培では民間稲作研究所(民稲研)が提唱する管理技術で​大方決まりかなと。それは大まかにいって、秋起こしによりできるだけ稲藁を分解させ、早期湛水と複数回の深水代かきによって、雑草を抑制し、有機物の移動を促す、という技術。うちは今年度は大豊作だったことをたびたび書いてきた​し、アイガモロボ用の管理をしてきたとも書いてきた。これは実は民稲研の提唱するこれらの管理をしてきたのである。


自然栽培でいうところの一番大切な肥毒の解消は、民稲研は直接そういう言い方はしていないけれど、秋起こしから代かきまでの一連の管理で目的としているのは結局肥毒の解消ということである。秋起こしによって肥毒の元となる稲わらの分解を促し、分解しきれなかったものは代かきによって「掻き出す」。自然栽培において肥毒の除去というと、多くの人は過去に入れてしまった肥料を抜くことばかりを考えがちで、新たに入れないという視点が抜けている。いやいや俺は入れていない、ではなく、肥毒というのはトラクターで圃場に入るだけで知らずのうちに発生させている。肥料は稲が徐々に抜いてくれるのだから、人は新たに入れないことをもっと考えねばならない。水田は畑と違ってそれが容易で、それがこの代かきである。


さらに自然栽培向けに体系立てるなら、初期の数年は代かき以深の層の過去の肥毒の除去に心を砕き、頃合いを見て民稲研の代かきを利用して新たに肥毒を生み出さない管理に移行する。自然栽培稲作はほとんどの場合これでいけるのではないか。どうやら土質も選ばないようだ。


もちろん不向きな条件もある。まずは水が豊富に使えない圃場では無理。また減水深があまりに小さい圃場もきつい。うちが少し前にやっていた圃場では念入りな代かきをすれば減水深がゼロ(!)になる。これではコナギの手ごわさが解消されない。また田植え時に浅水にできないとか、早期湛水でトラクターがはまりやすくなる箇所があるなどの作業上の不便もあり、1年でやめてしまった。


また耕うんや代かきでそれなりに時間を取られるので、経営規模の大きい人や、どうしても時間の節約が必要という人には難しいかもしれない。


民稲研には、創始者である稲葉先生には確か2007年からお世話になった。直接田んぼに来ていただいたり、あるセミナーでは先生が基調講演をされ、私が事例発表をしたこともあった。そんな長いお付き合いだったのに、この技術の優秀さを心底理解するのに20年近くもかかってしまった。振り返ってみると、就農して初期の頃は2回目の代かきは場合によっては練り込み、と言われていたことが災いして成功率が決して高くなかった。その後自然栽培を始めてからは肥料断ち特有の初期の洗礼を浴びたということがあったかもしれない。ほどなく栽培地区の引っ越しを余儀なくされ、砂の作土でわずか10cmしかない圃場での実践となったし、土が深い圃場を取得すれば先ほど言ったような減水深の問題が立ちはだかった。今こうして条件が整った圃場——あくまでこの管理ができるための条件が整っているという意味で、作土が砂土に近く20cm下の耕盤はサブソイラも刺さらないほど固いという大きなマイナス要素はある——を耕作できるようになってようやく、何というか、稲葉先生に報いることができたように思える。


ちなみにその今の圃場たちでも、半分くらいは最後の代かき後しばらくの間は減水深がごく小さくなり、中3日空けないと田植えができなかったりする。しかしここでアイガモロボが役に立ち、その間は圃場を泳がせておくことで対応した。この管理方法とロボは相性がいい。


以上のような条件に合う圃場であるにも関わらず稲の収量で困っている人はぜひ民稲研の管理をしてみてはどうだろうか。HPでもネット上でもそのやり方は得ることができる。細かいところまで忠実に守れば(PTO回転数は除く・笑)決して大きな失敗はしないだろうと思われる。



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