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「土づくり」の最大の視点

  • 執筆者の写真: 反田孝之
    反田孝之
  • 2021年2月8日
  • 読了時間: 2分

更新日:2021年3月10日

どうもこれまで書いたことがなかったようなので、作物栽培の技術的視点について、もっとも重要でないかと私が必死こいて日々考えていることについて紹介してみる。


作物栽培について最も考えるべきは「土づくり」だと異論のある人はほぼいないだろう。その土づくりにも当然様々な視点があって、その中で私が一番肝だと思っていること。それは「上層(作土層)をいかに肥えさせ、下層をいかに痩せさせられるか」ということである。


自然界がそうなっているからというのは誰でも直感でわかるだろう。そして現にそういう畑ではゴボウが良く育つ。ゴボウ栽培をやっていると突き当りがちなことに、作付けするたびに育ちにくくなるということがある。これはゴボウ栽培特有のトレンチャー掛けという筋状深耕にきっと原因がある。これを続けると腐植分の多い土が徐々に下層に送られていくからだ。


これは「連作障害」の考え方にも通じる。連作障害がなぜ起こるかには諸説があるが、私は作物が自らつくる毒素ともいうべき物質のせいだと考えている。栽培初年度は大体育つ。その時に、種(しゅ)の繁栄戦略として、自らの生育に適さない土には毒素を残す。そのために毒素が解消される間はその作物は育つことができない。これが連作障害の基本的な構造。そしてその毒素は、下層が豊かであるほど生まれやすい。


残念ながらこの理論を唱える学者や権威にまだ会ったことがないので、真偽のほどは分からない。だが私はきっとそうだろうと確信していて、そういう上下構造の土を、肥料やたい肥に頼らずにどうやったら畑につくることができるかを常に考えている。世間の人が楽しそうに別のことを考えている間に、私もこういう楽しいことを考えているわけよ(笑)。

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