防護柵が機能するようになった経緯
- 反田孝之
- 8月23日
- 読了時間: 3分
更新日:4 日前
暑いね~。
前々回、続くと書いたネタを。
今年のイノシシの被害は進行形ではあるものの今のところかなり少ない。これは明らかにこれまで何年にも渡って対策を講じてきた結果である。その対策の過程を紹介してみたい。
今田地区は15年くらい前の圃場整備時に、耕作地22haの周囲に防護柵が設置された。しかし市道があるため、その開口部で切れている箇所が4カ所ある。
まず顕在化したのは周囲の柵からの進入である。防護柵の設置個所が決められた経緯を私は知らないのだが、ところどころであまりに素人的な、明らかにイノシシの進入防止に役立たない設置の仕方をしてあるところがある。そこを飛び越えて入ってくるのである。それでワイヤーメッシュを張り増して高くした。
そしたら次には柵を堂々と壊して入るようになった。設置された柵はやわらかいタイプなので大型のイノシシなら平気で押しつぶして乗り越えてしまうのだ。それで柵の全線の天端に鉄筋を這わせた。これで一旦は進入は止まった。しかしそのうちその鉄筋を踏み台にして飛び越えて入るようになった。すべての柵にワイヤーメッシュを張り増せば解決するのだろうが、それは金額的にも労力的にもかなりきつい。
それである人の発案で、柵の裏に生えている草や篠竹を刈り払おうということになった。柵の表は水路掃除や草刈りが定期的になされているのできれいだが、裏は堤防の法面であり草刈りはなされていなかった。しかしいざ刈ってみると、クズや木や篠竹は強敵だし、そこが構造物とに挟まれた狭い空間だったりで難儀を極めた。挙句、イノシシのアタックはむしろ激しくなった。何のために四苦八苦して刈ったのか。その年はもう諦めて、翌年になった。
草刈りをしたところはあっという間に、前に増して篠竹やクズのツルが繁茂した。防護柵にもツルが巻き付き、裏側がすっかり見えなくなった。するとどうか、イノシシがまったく入って来なくなったのだ。ある人が言っていた。イノシシは柵の周りに草を生やしていれば入ってこないと。それは経験的に得られた知見だということだった。私もなるほどと合点。
(農道から見下ろす防護柵。クズのツルに巻かれて片りんも見えない。)

しかし世間の常識は逆で、柵の周りは草をまめに刈って見通しをよくしろという。先日当地で講演された「雅ねえ」も露骨にそれを強調していた。しかし様々なシーンを見てきた今となってはよく分かる。これはどちらも正しい。すなわち、柵の周りの草をマメに刈って見通しを良くするのがいいのは、周囲に人の気配のあるところであって、人気のないところでは柵の周りをきれいにしても無駄かむしろ逆効果になる、草はむしろ生やしておいた方が良い、ということだ。イノシシが見通しの良いところでも平気なのは、見通しの良い道路や河原を悠々自適に闊歩していることで明らかである。彼らは人間が怖いのだ。つまりイノシシは、「草が好きで草に隠れているのではない。人気から逃れるために草に隠れるのだ。」
柵の裏側は、民家からは離れ、まったく人気がなく、以前は草もほどほどだったのでイノシシが自由に歩き回っていた。四苦八苦して草刈りをした直後もそうだった。しかし今、人間はもちろんだが、イノシシにとっても歩くのが難しいくらいの草の絡まり用だ。これでこちら側からのアタックはすっかりなくなったのだ。
ただ前回書いたように、堤防上部の草刈りがなされたため、田んぼの存在がバレて、草の少ない箇所では柵の側までやってきて根元をほじり回したり、柵の網穴からウリ坊の侵入が認められるようになった。ただ、もし大きいのが柵を越えて入ってくるようになっても、草が少なく近づいてこれる場所は限られているので、そこにワイヤーメッシュを張り増せば比較的楽に防げるとは思っている。
続く。
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